管理釣り場で使われているラインとして、ナイロンやフロロカーボン、PEなどがありますが、一番新しいラインとして昨今エステルラインを使われている方も多いと思います。
私も例にもれずかなり前に導入していたのですが、使いづらく使用頻度がそれほど高くありませんでした。
しかし、昨シーズンから久しぶりに管釣りの大会に参加するようになり、必要に迫られてエステルラインを再度しっかり使い始め、いろいろ試行錯誤しておりました。
大会に参加しているトラキンエキスパ経験者やテスターなどの上級者の方にアドバイスを受けつつ、エステルラインの扱い方について試行錯誤してきたことを自分の備忘も兼ねて書いておきます。
目次
エステルラインの有利な点
エステルラインの特徴を簡単にまとめると、
・感度が高い
→伸びにくく、フロロ以上でPEにせまる感度があります。
・風に強く沈む
→PEは繊維を編み込んで作られていますが、エステルはナイロンなどと同様のモノフィラメントなので風の抵抗もなく、フロロより軽いですが、PEのように浮力もなく水に沈むので扱いやすいです。
・飛距離が出る
→強度に対してラインの径が細く、かつフロロよりは軽いですが、重量があり、ある程度コシもあるので、飛距離がかなりでます。
というところで、特にマイクロスプーンなど1gアンダーの釣りやボトムの釣りなどで非常に有効なラインです。
軽量ルアーを遠投でき、比重があり水に沈むので、レンジコントロールもできる、感度も高くショートバイトも拾えると有利な点が多いです。
特に大会に参加すると、「軽量なルアーを遠くに飛ばせること」と「感度が高いこと」というのは、大会で猛者が一斉にルアーを投げ込みものすごいプレッシャーが掛かった時に釣果を得るうえで非常に重要なファクターになるため、エステルラインはもはや必須ではないかと感じます。
エステルラインの短所
しかし、エステルラインにも欠点があります。
・ライントラブル
→フロロカーボンほどではないにしろ、伸びがない=硬いということでライントラブルが若干多いです。
・切れる
→伸びがない=伸びてショックを吸収しにくいということで、じわっと掛かる負荷には強いですが、急激な負荷に弱く、プチッと切れてしまいます。
『ライントラブル多いし、すぐ切れるし使いにくいよ~!』と使い始めた当初は、こんな感じの印象でした。
また、何度も使用して劣化した時や、特に厳寒期にガイドが凍り付くような時にエステルラインを使うとすぐに痛んで、ブチブチ切れるというようなこともありました。
劣化に対する対処としては後述していますが、釣行毎にラインを数m引き出して切ってしまい、短くなったら交換という感じで対応しています。
対処法
非常に高性能なラインではあるものの、使い勝手に若干問題があるエステルラインですが、自分が使っていく中で気づいたり、エキスパートな方々に教えていただき、なんとか使えるようになってきました。
自分が気を付けていることは、以下の点です。
リーダーを付ける。
急激な負荷に弱く、例えば取り込みの時、リリーサーを使って針を外そうとエステルラインにリリーサーを沿わせて少し力が掛かっただけで切れるようなことがあります。
そのため、15センチほどの長さのフロロカーボンのリーダーを付けています。
プッツン対策のためのもので、せっかくの感度を殺さないため、短めのリーダーが良いと思います。
ドラグの性能の維持
急激な負荷に弱い特性から、魚が掛かった瞬間の負荷でラインが切れることがあり、負荷がかかった瞬間にスムーズにドラグが作動し、ラインが出ていくことが必要になります。
また、魚が走ってドラグが出っぱなしになる場合も、ドラグ性能が劣化していると、負荷があまりかからない状態でただ出るだけになってしまいます。
ドラグの性能が高い高級機を買った方が良いですが、それよりもドラグをしっかりメンテして性能が発揮できるようにしておくことが重要だと思います。
今どきのリールは、1万円前後程度のリールでも十分なドラグ性能はあると思います(当然高級機の方が優れてはおりますが)。
定期的にドラグを分解してドラググリスを塗布するなどのメンテナンスやドラグワッシャーを交換するなどして性能を維持してドラグがスムーズに作動するようにすることでライン切れを防ぐことが出来ます。
2~3年ノーメンテのドラグで雨水などが入り込んでたりして劣化したものと新品では結構性能が違うものです。
知り合いの上級者は、IOSさんのシロクマドラググリスを使ってメンテしている方が多いですね。
私は、ワッシャーを交換する際は、グリスがあらかじめ含侵されたワッシャーを買って交換し、普段のメンテではこれを使っています。
ドラグの設定
ドラグが負荷が掛かったらスムーズに作動するように、適切な強さに調整しておくことも重要です。
ナイロンやフロロなどよりこの辺はしっかりやる必要があると思います。
これだけでも、切れる確率をだいぶ減らせると思います。
キャストの仕方
これは飛距離を出すためやむを得ない部分もあるのですが、ティップ部分にルアーの重量を乗せて、ピンッとキャストすると、そのままプツッといくことが多いです。
うまく、急激な負荷がかからないように、力を少し抜き気味で柔らかくキャストする必要があります。
スプールに巻きすぎない
フロロカーボンと同じく、ライントラブルを起こさないためには、スプールに糸巻き量いっぱいまで巻かないほうがよいです。
緩んだまま巻かない
当たり前のことですが、フロロカーボンと同じく巻き始めにテンションを掛けて緩んだまま巻かないようにする必要があります。
交換頻度
フロロカーボンラインなどと比べると、ラインの劣化が早いです。
一度負荷が掛かると、伸びたまま戻らないということのようで、切れやすくなります。
ライン自体の交換もちょっと弱くなってきたなと思ったらすぐに交換するようにしていますしリーダーは必ず釣行ごとに取り換えつつ、末端の数mは切るようにしています。
知り合いのテスターは、特に1.2ポンド程度の細糸を使用する場合は、劣化すると一気に切れやすくなるため、釣行1回ごとに交換するそうです。
それでも、いつ切れるかわからないので、トラキンエキスパなどの重要な大会以外は、使用するスプーンを『どこでも手に入るカラー』に限定して、手に入りにくいオリカラなどは、大会で釣れない状況でも手を伸ばさないようにしているそうです。
まとめ
エステルラインは、上記の対策を行うことでライン切れやトラブルをかなり低減することができました。
とはいえ、他のラインに比べ、扱いにくいことは事実で、扱いに気をつかうラインではあります。『感度』と『軽量ルアーの飛距離』のアドバンテージは大きく、使い方を間違えなければ『今までとれなかった魚がとれるようになるライン』だと思います。
エステルラインの導入の方に参考になれば幸いです。
【オススメエステルライン】
・チェルムアンバーコード 0.3号
私がメインで使用しているラインです。比較的扱いやすくて、強度が強いです。
値段もお手頃で交換もしやすいです笑
カラーラインで、マイクロスプーンの表層の巻きやボトムの釣りなどラインの動きを見る釣りでは使いやすいラインです。