私のブログを見ている中には、3DCADと3Dプリンターを使用したルアーを製作したいと思っている方も多いと思います。
しかし、安価になってきているとはいえ、3Dプリンターも結構な価格であり、一体全体でどの程度の費用がかかるのか?という部分が分からず、二の足を踏んでいる方もおられると思います。
今回は、自分の事例を基に、3Dプリンターを使用したルアー作りを始めるのにどの程度の費用が掛かるのか検証してみようと思います。
目次
検討条件
まず、コストを算定するにあたって、検討条件を設定します。
3Dプリンター
ABSのフィラメントを使用できる、ヒートベッド付きの3Dプリンターとします。
私の3Dプリンターはトライナスという3Dプリンターですが、各種オプションがセットで7万円程度となっています。
PLAという素材のみ扱える機種ですとさらに安価になるのですが、耐熱性が劣るため、実際に車内に置きっぱなしにしてみると変形してしまったため、釣りには不向きだと思います。
ルアーを車内に置きっぱなしにしない、電車釣行がメインという方は安価なPLA用マシンでも良いと思います。
3DCAD
3DCADについては、無料3DCADである、Fusion360を使用しています。
ただし、Fusion360は、例えば64bit版のOSでないと動作しなかったり等、すこし高いスペックを必要とします。私は、元々4年前のPCを使っており、スペックが不足していたため、PCを買い替える必要がありました。ちょっと性能の高いグラフィックボード付きの80000円程度のものを購入しております。
今回の検討においては、PCを新規に購入する形で進めていきたいと思います。
材料
ABSのフィラメントが1kg3000円程度です。
1gあたり約3円のコストがかかります。
また、接着材、コーティング用のセルロースセメントやヒートンやリップ、ウェイト等で1個あたり最低100円程度は別途材料が掛かります。タングステンウェイトなどをふんだんに使うと当然もっと価格が上昇します。
塗装をする場合は、さらにスプレーやエアブラシなど追加費用が必要となります。今回の検討では、塗装分の費用は省略します。
工具類
バリを取るためのニッパー、穴あけ用のドリル、ヤスリ、ペンチなどなど各種工具類が必要です。私はもともとルアーをハンドメイドする用のものを持っていたのですが、なければ一式そろえる必要があります。5000円程度あれば、最低限のものはそろいます。
コスト検討条件
ルアー製作数
検討条件として、ルアーを100個製作する場合と200個製作する場合で比較してみましょう。ルアーを製作し始めても、ちゃんと泳ぐルアーを作るのには試作品を作る必要があります。ルアーを100個および200個製作する前に試作品を50個作るという条件で検討を行います。
ルアー材料代
シーバス用のルアーを製作するとして、20gの重量とします。
20g/個×3円/=60円/個のフィラメント代が掛かります。
その他材料と合わせて、160円/個の材料代がかかることになります。
電気代はとりあえず無視します。
PC費用
パソコンは、80000円のものを購入したとして、ルアー製作に50%、その他の用途に50%使用するとして、40000円を計上します。
コスト計算
①ルアーを100個製作する場合
【総額】
3Dプリンター 70000円
PC費用 40000円
ルアー材料代 24000円(160円×150個(試作品50個含む))
工具代 5000円
総計 139000円
【ルアー1個当たり】
139000円/100個=1390円/個
②ルアーを200個製作する場合
【総額】
3Dプリンター 70000円
PC費用 40000円
ルアー材料代 40000円(160円×250個(試作品50個含む))
工具代 5000円
総計 155000円
【ルアー1個当たり】
155000円/200個=775円/個
まとめ
かなり条件を単純化した荒っぽい検討ですが、ルアー100個作ると1390円/個とほぼ市販のルアーを購入するのと変わらない程度の費用が必要になります。
ルアー200個作る場合は、775円/個と市販のものに比べると安価に製作できることがわかります。
市販のルアーに対して、コスト面でアドバンテージを持たせようとするならば、ある程度の数を生産する必要があります。まあ、趣味なんだからそんなこと気にしちゃダメだろという方には問題ないですが。
大体、3Dプリンターでルアーを製作するのに必要な費用がイメージできるのではないでしょうか。
ただし、本格的に塗装をする場合は、エアブラシや塗装ブースの整備費用などで、さらに追加費用が掛かることになりますのでご注意ください。
スプレー塗装でしたら、1色あたり500円程度ですのでそんなに費用的には問題にならないと思います。
また、3Dプリンターをルアー製作以外にも使用する場合は、計上するコストを低減して計算すればよいですし、PCをもともと所有している場合や3Dプリンターをもっと安価なものを購入すればコストを下げることができますので、今回の検討を参考に自分の場合どの程度のコストがかかるのか検討してみてはどうでしょうか。
本気でルアー作りに取り組むなら、コストなんて気にすんな!と言いたいところですが、そうは言っていられない方も多いと思いますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
コメント
誤植でしょうけれど、80000万円のパソコンはちょっと普通の人には買えそうにないですね。
ご指摘ありがとうございます。修正いたします。