管理釣り場用の3Dプリンターによるルアー製作第4弾です。
今回は、管釣りのハイプレッシャーな状況を打破するために必須の(と勝手に自分が思っている)30mm程度の小型のプラグ、クランクとニョロ系クランクを作成していきたいと思います。
市販されている小型のプラグ並のルアーを実釣で使えるレベルで、3Dプリンターではたして出力できるのか?
検証してみました。
ルアーのスペック
要求される性能は以下の通り
だいぶ贅沢な仕様ですが、果たして達成できるのか・・・・
・リップを除くボディのサイズを~30mm程度とする。
・フックはワンフック仕様
・XULクラスの竿でちゃんとキャスト可能
・当然スローリトリーブでしっかりアクションする事
・スローフローティング
3Dモデリング!
毎度お馴染み3Dモデリングです。
両方とも、サーキットボードリップとし、アクションのレスポンス向上を図ります。
小型クランクは、ワイヤーアイ、ニョロ系はヒートン仕様です。
小型クランク
ニョロ系クランク
3Dプリンターで出力
3Dプリンターで出力すると、問題が発生しました。
浮力を稼ぐためボディ厚さを出来る限り薄くすると、うまく出力できませんでした。
色々試してみると、私の3Dプリンターtrinusでは、内部構造の積層角度が緩くなるよう設計したり、出力の際、倒れないようルアーの尻尾側の太さを確保するなど、出力が成功しやすいように色々工夫する必要がありました。
この辺は所有されている3Dプリンターの性能にもよると思いますので、一概には言えないと思いますが。
あと、スライサーソフトによっても、変わってきますね。
私は、simplify3Dというスライサーソフトを使用しているのですが純正のソフトでの出力と試しに比較してみると、同じデータでも動きが若干変わったりするので面白いですね。
結果として、うまく設計すると強度を保ちつつ厚さ0.5mmまでならなんとか出力できることがわかりました。
アクションの調整
試行錯誤の結果、めでたくボディーは出力できたわけですが、微妙な浮力の調整が必要でした。
サイズが小さいため、ウェイトの影響が大きく、ウェイトを入れるとシンキングになったりして、ボディー形状を微妙に見直しして浮力の調整→ウェイトを入れて→見直しというのを数回繰り返しました。
まあ、形状の見直しに10分、小型のため出力に30分強という具合なので、そこまで苦労することなく、調整することはできます。
また、浮力の調整と並行して、ボディ形状を変更しながら、同時にウェイト位置の調整も行い、うまくアクションする設定を効率良く、検討できました。
ウェイト位置は、これだけ小型だと、0コンマ数ミリずらすだけで、笑っちゃうくらい劇的にアクションが変わるので、すごい勉強になりました。
完成!
一応すべての要求をなんとか満たすことができました。
アクションは及第点という感じですが、今後暇を見て再設計してもっと追い込んでいきたいとは思っています。
ちなみにアクションはこんな感じです。まあこれなら魚に相手してもらえるかなという感触。
また、小型クランクの方は、写真のように、板オモリを一枚貼るだけで、スローシンキングになるように設定できたので、スローシンキングバージョンも釣り場で試してみようと思います。
塗装は、エアブラシを持ってないので、スプレーで適当にやっております(´∀`)
さてさて、次回は、3Dプリンタールアーを釣り場でテストしてきます。
はたして、釣果を得ることはできるのか?
ウェイトは、同じ直径のタングステンや鉛やステンレスなど複数の種類を用意しておくと、浮力の調整が簡単にできますよ。
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