管釣りで使われるフックは、バーブレスのシングルフックが使われています。
各メーカーからさまざまなフックが発売されていますが、始めたばかりの方などはどのようにフックを選べば良いのか迷ってしまうと思います。
ということで、今回は釣り場の状況に応じたクランク用のフックセレクトについて紹介したいと思います。
目次
クランクのフックについて
まず、クランク用として使われるフックには、大きく分けて2種類のフックがあります。
縦アイと横アイです。
縦アイがプラグ用のフックで、
横アイがスプーン用のフックですね。
クランクのフックアイも縦アイと横アイの2種類があり、
クランクのフックアイが縦アイであれば、スプリットリングを1連でプラグ用の縦アイフック、クランクのフックアイが横アイであれば、スプリットリングを1連でスプーン用の横アイフックを取り付けることが出来ます。
ということで、基本的にはクランクを使うには、この2種類の「縦アイと横アイのフック」を用意する必要があるということです。
フックの種類を少なくしたい
しかし、使用するフックが多くなるとそれだけ費用もかさみますし、たくさんの種類のフックを持ち運ぶだけでも面倒です。
じゃあどうするかというと、「スプーン用の横アイのフック」だけを使用することにしてフックアイが縦アイのクランクについては、「スプリットリング」を購入して1連から2連に付け替えてしまえばよいんです。
ただし、スプリットリングを1連から2連にすると重くなってしまうので、私はもともとついているリングを外して、小さめのリングを2連にしています。
【写真はクラピーの例です】
スプリットリングを2個繋げてスプーン用のフックをつけてます。
スプリットリングは、デュオやヴァンフック、フィールドハンターのフックの各サイズを使っています。
ヴァンフックのスプリットリングの100個入りのものが、性能も十分でかつコスパが高く使用頻度が一番高いですね。クラピーなどのレギュラーサイズは、#0、25mm程度の超小型クランクは#00を使用しています。
フックの状況別の使い分け
管釣り用のクランクは、基本的にはスローのただ巻きがメインの使い方です。
同じように巻いていても、魚が後ろから追尾してきてガッツリ食って来たり、チョンとルアーに触れるだけのキスバイトだったり、じゃれつくようにバイトしてきたりと、クランクの種類や状況により魚のバイトの仕方はさまざまです。
細軸フックに変える
魚のバイトが小さかったりして、なかなかフッキングまで至らない状況で有効な方法です。
特に後ろから追尾してきて食ってはくるけど、ガッツリ食ってこなくて、なかなか乗らないような状況で使います。
この場合、私はフックのサイズを小さくするのはあまり効果がないと思っていて、フックサイズはそのまま変えないことが多いのですが、細軸に変えるという方法を良く使います。
細軸のフックにすることで、フックの径が細くなり、その分抵抗が減りますので刺さりが良くなります。
クランクは抵抗の大きいルアーということもあり、フッキングパワーが伝わりにくいため、細軸にすることによる効果、小さな力で刺さりやすくなるという効果がスプーンより出やすいと思っています。
また、フックをフッ素加工されたものにするのも、有効です。
フッ素加工により摩擦が減ってさらに刺さりがよくなっています。
滑りが良いということは、逆にばれやすいと言うことにもなりますし、また、細いとフックが曲がりやすいのでやり取りは丁寧に。
【おススメフック】
SP-21BL
ヴァンフックの少し細めのフック、SP-11、21,31と3種類あるうちの真ん中のモデルです。
SP-31に比べて、細く刺さりが良く、SP-11と比べると強度が高くクランクに使うにはバランスが取れていると思います。
ショートバイト時
ショートバイトでなかなかフッキングしない時には、状況に応じてフックを使い分けています。
クランクをスローに引いてきて、後ろから魚が追尾してきてバイトするような良くみる典型的なクランクへのバイトが多い場合は、オーソドックスな形状のフックを使用しており、スプーン用のSP31-BLを使用しています。
針先が内を向いている形状で、乗せの釣りに向いており、私はクランクの釣りは『アタリがあってもロッドで合わせずリールを巻き続ける』という合わせ方を行っておりこの乗せの釣りに適したフックをメインに使用しています。
一方、後ろから追尾してバイトするのではなく、斜め方向や横、下方向から突っ込んできて反転しながらじゃれつくような喰い方をする時などで、なかなか魚がフッキングしない時、針掛かりしやすい『ワイドゲイプショートシャンク』のフックにすることが非常に有効です。半掛かりでも良いのでとにかく針を掛けることを重視するということです。
写真の左がオーソドックスなフック、右が『ワイドゲイプショートシャンク』のフックです。
普通の形状のフックと比較すると縦方向のシャンクの幅が短く、横方向のゲイプの幅が広い形状ですね。
・フッキングの力の伝わる方向である縦方向のシャンクが短いため、小さい力でフッキングが決まるということになります。
・横方向のゲイプが広いため、つまり針の軸と針先間の距離が広いため、針先がよりオープンになっており、魚がバイトしてきたときに針が口に残る確率が上がる、ようは初期掛かりが良いわけです。
じゃれつくような当たりの場合、そもそも針に掛かりにくい喰い方であるため、針掛かりする可能性の高いフックを使うということです。
魚がバイトしてきたときに初期掛かりが良く、そこから小さな力でフッキングできるため、食いが浅かったり魚が反転せず魚の重みでフッキングできないような場合でも針が残りフッキングに至る可能性が高いというわけです。
しかし、良いことばかりではありません。
針先がオープンになっていることから、針先から魚の口が抜けやすい、フックの縦方向であるシャンクが短いことから魚の口を保持する部分が短いため、フッキングした後針外れが起こりやすいということが言えます。
掛ける能力は高いですが、掛けた後はバラシやすいため丁寧なやり取りが必要です。
また、下の層から喰いあげてくる時にフロントフックを「ワイドゲイプショートシャンクフック」にするとフッキング率が上がりますね。
喰いあげるということは、通常では棚がずれているということなのであまり良いことではないですが、夕方の表層でライズしているような状況で、クランクを竿を立ててデッドスローで引くパターンが有効である時があり、そういう時はこの方法を取るとフッキング率がかなり良いと思っています。
【おススメフック】
STフック
ワイドゲイプショートシャンクのフックでクランク用としてSP-31BLとこのSTフックをメインに使用しています。
状況によって、この2つを使い分けるような感じです。
こちらもワイドゲイプショートシャンクのフックでじゃれつくような小さなアタリを高確率でからめ捕るフックです。耐久性が低いのでここぞという時に使用します。
食い上げのじゃれつくアタリが多発するときフロントをクラッチに交換したり、超スローで巻いているときにこんなの掛かるか!って感じの渋ーいバイトが出る場合にこいつに変えると掛けることができたりしますね、私の実力ではバレやすいですけど・・・。
ミノーに使っても効果的ですね。
専用のフックを使う
さきほど説明した、フックの種類を少なくするということと逆のことになりますが、やはりもともとルアーについている専用のフックは、クランクの特性に合わせたものが使われているため、フッキング性能が高いなどバランスの良いセッティングになることが多いです。
例えばムカイのザンムシリーズに使用されている、ザンムフックは専用フックだけあって、ムカイのクランクにはこれを使うのが自分はベストだと思っており、ムカイの永井さんの提唱する竿で合わせずリールを巻くだけのフッキング方法では、ザンムフックとザンムのクランクの組み合わせはかなり高性能だと思います。
非常にスムーズにフッキングして、針の形状からバラシも少なくバランスが高いセッティングですね。
自分の使用頻度の高いルアーで、明らかに純正の専用フックの方がフッキング率が高いなど良い釣果を上げることができる場合は、使用する価値があると思います。
【おススメフック】
ザンムフック
ムカイのルアー、特にザンム系のルアーはこれを使うようにしています。
自分的には、SP-31BLなどのフックと比べるとやはりフッキング率が違ってくると思っていて、ザンム用に使うためだけにこのフックを用意しています。
まとめ
今回は、管釣り用クランクのフックの自分の使い分け方について紹介させていただきました。
ワイドゲイプショートシャンクのフックの使い分けなど、実は数年前まであまり意識していなかったのですが、クランクを自作するようになりフックのセッティングを含めテストを延々行うなかで、けっこう影響があるんじゃないかと気づき始めたのがきっかけでした。
また、自作クランクを上級者の方に見ていただいた時などにフックのセッティングについて教えていただく機会があり、教えていただいたことを元に色々試していくうちにこだわるようになっていったというような具合です。
フックを換えるだけでいきなり連発することもあり、タックルによってうまくフッキングするフックというものもあります。
竿のパワーやラインの種類、硬さなどでも変わってきます。
あわせ方や使っているタックルによっても変わってくる部分があると思いますので、自分にあったフックの使い分けを考えてみると良いかなあと思います。
エキスパートでもない釣り人のただの戯言ですが、参考になれば幸いです。