数か月前から試行錯誤してきた一部のルアーの設計が終わり、ルアーの量産に取り掛かり始めました。
量産に取り掛かると、3Dプリンターの出力に対して、別の問題が発生することが分かりました。
今回は、ルアーの量産に取り掛かった中で出てきた問題点のその対策について、自分の備忘録を兼ねて紹介します。
量産する際に注意すべきこと
私は、ルアーの設計を進める中で、1個1個ルアーを組み立てながら、スイムチェックや実釣テストを行い、設計を見直ししております。
設計が一応完了したルアーは、予備やカラーバリエーションを増やすために、量産を始めました。
まあ、量産とはいっても、4~5個とかその程度ですが・・・
並行して、試作中のモデルの出力も進める必要もありますし、当然、仕事もありなかなか時間が取れません。
そこで、ルアーを同時に複数プリントする方法を取ったのですが、そこで思わぬ問題が発生しました。
複数のルアーの同時出力
ルアーの設計が固まり、量産する段階に移行し、同時に複数のルアーを3Dプリンターで出力することで効率的にルアーの製作を進めようとしました。
一気にルアーを4つとか出力をするのですが、今までは、テーブルの中心に一つだけ、出力しており、テーブルがすこし傾いていても、しっかりと出力されていたのですが、4つ並べて出力すると、テーブルがマイナス方向に傾いている側のルアーがちゃんと出力されない事象が発生しました。
最悪の場合、途中でルアーが倒れて、連鎖的に他のルアーもぐちゃぐちゃになってしまうというものでした。
一つでも出力に失敗すると、同時出力中の他のものが一気に全滅してしまうんです。
そこで、ルアーを出力する際に、テーブルに密着するようにプレートを取り付けているんですけど、同時出力するルアーのプレートをすべて繋げてしまうことにしました。
これにより、プレートの安定性が増し、ルアーがしっかりと全て出力できるようになりました。
同時出力による出力時の樹脂の温度低下
私の3Dプリンターの出力方式は、FDM方式と言って、熱して溶かした樹脂を積層することで出力する方式です。
積層する際に、下の層の樹脂は、ある程度固まった状態で、上の層が積み重なっていくんですが、複数個出力する場合は、1つ目を積層したら2つ目を積層してと全ての出力物を順番に樹脂を積層して、また次の層を積んでいくという出力の仕方になります。
そうすると、複数出力の場合は、次の層が積み重なるまでの時間が長く、1個だけの出力の場合より、前の層の樹脂がより固まった状態になります。
1個だけ出力した場合は、前の層が固まりきる前に次の層が積み重なり、若干だけ出力品が歪んでしまい、複数個出力した場合と、ルアーのボディ形状が若干変わってしまうということがありました。
特に、ボディの付け根であるテールの形状やリップ付け根の飛び出た部分などが、形状に相違が出てしまい、一部のルアーでは、アクションにも影響が出ていました。
写真は小型クランクのDRタイプですが、上の単出力バージョンと下の複数出力バージョンでは、出力されるボディ形状が若干の差異がみられます。
1個だけのものはボディのテール側が少しだけ歪んでいますね。
歪んだため、アクションがすこーーーしだけ違いました。
量産用のルアーのボディについて、適当に若干の修正をしたところ運よくアクションが同様のものになったため、事なきを得ましたが、うまくいかなければ、また再度量産用に設計を試行錯誤する必要が出るところでした。
まあ、ほとんどのルアーには影響がないとは思いますが、単出力の際に、本来の形状から歪んで出力された場合は、要注意です。
まとめ
今回は、3Dプリンタールアーの量産のため、複数同時出力した場合に発生した問題点について紹介させていただきました。
マニアックな話しすぎて、どうでもよいお話ですが、3Dプリンターでルアーを製作している方に少しでも参考になれば幸いです。
コメント
コメントは入れてませんが、ピロピロの頃から見ています。
特に3Dプリンター+管理釣り場ネタは独特で、興味深いです。3Dプリンターでのルアー作りのノウハウ公開を楽しみにしています。
氷牙さんはじめまして
コメントありがとうございます。
3Dプリンタールアーの製作について、もっとメジャーになるよう布教に努めていきますので今後ともよろしくお願いします(*´∀`)