今回は、3Dプリンターでの製作方法を活かした3Dプリンターならではのルアーである『スリクラニョロ70』を製作したので紹介したいと思います。
私の作るルアーのモットーは『忙しい社会人でも時間を掛けずに作れるお手軽ルアー』ですので、それを体現するために製作効率を極力向上させたルアーになります。
もちろん、性能を犠牲にしていたら意味はありませんので、しっかり釣れるルアーを目指しています笑(実際に釣れるルアーになっているかはわかりませんが・・・)
3Dモデリング
ニョロ系クランクですが、リップ回りの形状をちょっと独特な形状にしています。
サスケなどのシーバス用のリップレスミノーを見ていて思いついた形状なのですが、リップレスっぽいニョロ系クランクって感じですかね・・・笑
リップレスミノーのリップをさらに下側に延長したような感じになっています。
3Dプリンター出力の効率化
このルアーの最大の特徴は、3Dプリンターでの出力時の効率化にあります。
通常私は、ルアーを一体成型で出力しています。
しかし、リップごと一体成型すると、下の画像のようにフィラメントが垂れたりしてリップの形が微妙に歪んでしまいます(雑な絵でスミマセン)。
また、積層方向の関係で非常に脆いリップになってしまいます。
絵は極端に書いているので実際には、こんなに歪みませんが1回転/3秒とか1回転/4秒というスローリトリーブを多用する管釣りでは、微妙なリップの形のゆがみがスローリトリーブ時のアクションを殺してしまいます。
また、藻が絡んだりした時に、水面にルアーをたたきつけたりしますが、その程度の力でも、薄く作ったリップであれば破損してしまいます。
バス用のルアーなどのレベルの大きさであれば強度を保てるのでしょうが、管釣り用のルアーでアクションのキレを増すため薄く作ったリップですとちょっと厳しいです。
私は下の写真のようにやむを得ずリップを別パーツ化して出力後に組み立てています。
この場合、組立にそれなりの手間がかかるという問題が発生することから、これを解決するため、写真の通り、リップ面を下にして出力することで、ボディとリップを一体成型するという手法をとりました。
組立ての効率化
出力したルアーに付いているサポートを除去して、ヤスリでサポートがついていた箇所をならし、そのままヒートンとエイトカンとウェイトを取り付けてエポキシ接着剤で固定したら完了です。
10分以内、慣れてくると5分程度で組み立てが完了します。
このまま、セルロースセメントで5回コートしたら完成。
これなら延べ作業時間30分かからず実釣に耐えれるルアーを製作できます(ルアーの出力時間除く、出力は会社行っている間か寝てる間に実施)。
リップの組立は、傾いた状態で取り付けたりするとまっすぐ泳がなくなるのでそれなりに丁寧に集中して作業しなければなりませんが、これなら鼻くそほじりながら余裕でできます。
正直形状がダサいですが笑、忙しい社会人でも楽に作ることができるルアーになりました。
アクション
スローでもしっかり泳ぎ、スピードを上げても安定してウォブリングしています。
ただし、アピール力はそこまで強くないので魚を寄せる能力はスリクラニョロ60などと比べるとそれほどではないです。
初心者でも使いやすいクランクですし、早めに泳がせて魚のスイッチが入ったらスローに泳がせて追わせて食わせるような使い方ができます。
フッキング性能向上のため、針が残るようにアクションをできる限り調整して、フッキングが悪くなりすぎないようにしています(私の設計技術ではしっかりできているとはとても言えませんが・・・)。
また、勝手に潜って魚が追ってくる棚から外れていかないよう、潜航深度を抑え気味にして自分でレンジコントロールできるようにしてみました(私の設計技術では以下略)。
ダメな点としては軽量なため、飛距離が犠牲になっているのが欠点ですね。
ただし、それについては簡単・短時間に作れるので、ロスト覚悟でエステルラインを使用することで飛距離をカバーしています。
補充が容易に効くことで欠点をカバーできるのは想定していなかった嬉しい誤算です。
まとめ
今回は、3Dプリンターでの製作方法を活かした管釣り用ニョロ系クランクを紹介させていただきました。
なかなか記事を書く時間がなくて、作ったルアーを紹介しきれていませんが、今後もちょいちょい紹介していきたいと思います。