さて、今回は3Dプリンターで作ったルアーの設計見直し方法を解説していきたいと思います。
3DCADで設計して、3Dプリンターで出力したルアーですが、組み立てて一発で、うまくいくことはかなり難しいです。
浮力やルアーの動き、さらに言えばキャスタビリティーや針がラインを拾ってしまったりといったトラブルの無さなど、何度も調整しなければならないことがあります。
今回は、設計の見直しのうち、特にルアーのアクションについて、どんな感じで見直していくのか解説していきますのでよろしくお願いします。
設計の見直し
前回作成した、フラットサイドクランクです。
スイムテストの結果、動きが弱い、特にウォブリング幅がかなりタイトでアピール力不足という結果になりました。また、サスペンド気味になってしまい浮力が不足気味でした。
そこで、ワイドウォブリングになるように設計を見直していきましょう。
今回は、動きに影響する部分として、ウェイトの位置とラインアイの位置、ボディーの容積を見直していきます。
ウェイトの位置の見直し
まずは、ルアーのウェイト位置を見直します。
Fusion360には、履歴機能という過去の操作に戻ってやり直す機能がついております。
これを使って、ウェイト穴のスケッチの位置を少し後ろにずらしてみます。
0.5mmしかずらしてないのでわかりにくいですな・・・
(変更前)
(変更後)
すると、ウェイト穴の位置がスケッチをずらした分だけ自動でずれてくれます。
ウェイトを後ろにずらしたので、ウェイト穴の後ろ側の壁の厚さが不足してます。
今度は、内部構造のスケッチまで戻って、スケッチをいじって壁の厚さを調整します。
すると、スケッチの変更に合わせて、自動で内部構造が変更されます。
この履歴機能をうまく使うことで、簡単にルアーのセッティングを修正することができます。
この程度の修正なら、慣れたら、10分程度でできてしまいますよ。
ボディーの容積の調整
ボディーの浮力が少しだけ不足しており、サスペンドよりのスローフローティングになっていたことから、浮力をアップさせます。
履歴機能でスカルプトを用いて、ボディー形状を変更します。
ボディーの横から見た形状はいじらずに、幅を若干だけ太くして、浮力をアップさせました。
微妙すぎてわかりにくいですねw
(変更前)
(変更後)
ラインアイ位置の見直し
ラインアイについては、まず、サーキットボードで前回と同じ形状のリップを作成します。 そうしたら、リップに開ける穴の位置を若干ずらしたものを製作します。
動きを大きくしたい場合は、アイを外側に持っていきます。
動きを押さえたいときは、その逆ですね。
今回は、動きを大きくするため、外にもっていきました。
左が修正バージョンです。アイの幅の半分ほど外にずらしています。
また、リップの角度を強くすると、アクションを強くすることができるため、ウェイト穴と同様の履歴機能を使用した操作方法で、リップ取り付け穴の角度を調整する方法もアクションを調整する手段として有効です。
完成!!
ウェイトの位置とラインアイ位置を調整したルアーが完成しました。
このような形で、ルアーのセッティングを調整して、理想のルアーになるよう追い込んでいけばよいと思います。
ただし、慣れるまでは、調整する箇所は1つずつとする方が望ましいです。
今回は、一気に複数個所をいじりましたが、一つ一つ検証していくと、何が原因でアクションが変わったのかよく理解できますので、その方がより早く技術が身に付くと個人的には思います。